25分の時間枠で考える

2019/10/16

一日の予定を立てるとき、「25分」という単位で計画すると便利だ。

中途半端と思われるかもしれないが、25分のタスクに5分の休憩を必ず組み合わせることで、30分単位で計画できるようにする。

休憩時間をあらかじめ計算に入れておくのがポイントだ。

25分では短いと思うなら、複数の枠をつなげて長くしてもいい。作業によっては1時間とか2時間没頭したほうが効率がいいものもあるだろう。

ただし、休憩時間の比率は必ず守る。

表にするとこんな感じだ。

セッション数作業休憩合計
125 分5 分30 分
250 分10 分60 分
375 分15 分90 分
4100 分20 分120 分

25分の時間枠で考えると、ほかにもいろいろと便利なことがある。

いろんなところにねじ込みやすい

25分ならスケジュールのいろんなところにフィットしやすい。

前述のようにまとめることもできるし、作業、休憩、作業、休憩を細かく繰り返してもいい。

タスクを開始するときの心理的ハードルが低い

それに30分に比べると気分も楽だ。25分だけなら「ちょっとやってみよう」と思えないだろうか。

200円ではなく198円と値付けするスーパーの戦術と一緒だ。1

計測しやすい

時間への換算も簡単だ。50 セッションなら 25 時間だとすぐわかる。2

また、枠が25分に固定されていれば、視覚化するのも簡単だ。

時間のような見えないものを、図を使って見えるようにするのは便利なテクニックだ。

1セッションを1つのチェックボックスとして表現してもいいし、スタンプカードのようなものを作ってもいい。

たとえばこんなふうに一週間の目標をカードにまとめておくこともできる。

目標カード

注意点

時間で管理することのデメリットもある。

というのは、かけた時間ではなく成果のほうが重要な場合が多いからだ。

時間にとらわれていると、「25分やった」という事実に満足してしまい、その時間に「何を」やったのかを軽視してしまいがちになる。

単に机の前に座って時間をつぶせばいい、ということになってしまっては意味がない。

とはいえ、新しい習慣を始めるときに時間に注目するのは悪くない。

何もしないよりはずっと進歩しているはずだから。

このような時間管理のテクニックは自転車の補助輪のようなものだと考えて、そんなものがなくても大丈夫になったら使うのをやめてしまってもかまわない。3

ポモドーロ

1980 年代に考案された「ポモドーロ」という時間管理のテクニックがある。

僕の現在の時間管理のやりかたは、実はこのアイディアがもとになっている。

といっても「25 分」ということだけ記憶に残っていて、具体的なポモドーロのやり方は覚えていなかったのだが。

いろいろ自分で試行錯誤しながら現在の形になったのだが、気がついたらポモドーロと似たようなサイクルになっていた。

ポモドーロはイタリア語でトマトのことだ。これを考えた人が使っていたキッチンタイマーがトマトの形だったかららしい。

ポモドーロ

The original uploader was Erato at Italian Wikinews.

ポモドーロのやりかたは以下のとおり。(英語版の Wikipedia の記事から適当に翻訳して引用)

  1. 何をやるか決める
  2. ポモドーロタイマー(キッチンタイマー)を 25 分にセットする
  3. 決めたことをやる
  4. タイマーが鳴ったら仕事を切り上げ、紙にチェックマークをひとつ付ける
  5. チェックマークがまだ 3 つ以下なら、短い休憩(3〜5 分)をとって、2. に戻る
  6. チェックが 4 つになったら4、長めの休憩(15〜30 分)をとり、チェックのカウントをゼロにリセットして 1. に戻る

写真を見るとわかるように、このキッチンタイマーはちょっと古めかしいアナログタイプのものだ。 ガリッと回して時間をセットする。

この「ガリッ」がちょっとした刺激になってイイらしい。

習慣のループを開始するキューになる。

今の時代にこういうタイプのキッチンタイマーを見つけるのは至難だが、現代的なデジタルなものでいい。

僕が使っているキッチンタイマーは電卓のようなボタンで時間を入力するタイプのものだが、ボタンが適度に重くてちょうどよい刺激を与えてくれる。

時間を入力してスタートボタンを押すと、やる気スイッチが入るのだ。料理をするときにもいちいちスイッチが入ってちょっと困っているくらいである。

スマホのタイマーでもいいが、少し味気ないし他のアプリの誘惑もある。

料理をしない人でもひとつ購入してみてはいかがだろうか。

まとめ
  • 25 分 + 休憩 5 分 のセッションを基本単位として考える
  • 複数のセッションをつなげてもいい(ただし、休憩時間の比率は変えない)
  • タイマーを操作する物理的な刺激を「キュー」にする

  1.  もちろんしっかり意識すれば200円と198円ではたいして違いがないことはわかる。こういうテクニックが有効なのは、こういう違いは意識下ではなく無意識下で効いてくるからだ。人間はいつも意識的に活動しているわけではない。ちなみに25分と30分だと率にして20%も違うので、実際にけっこう差がある。
  2.  休憩時間を差し引けば正味20時間と50分なのだが、細かいことは気にしない。4時間10分の休憩時間は「細かいこと」と思えないかもしれないが、休憩なしでやったら生産性は下がるだろう。この休憩時間は生産に寄与していると考えて積極的に仕事の時間としてカウントしよう。それでもどうしても気になるなら、少しずつ休憩時間を短くしてもいい。5分の休憩を4分にすれば、休憩時間の20%が「回収」できる。
  3. ここで僕の失敗を紹介しておこう。25分の枠を使い始めてしばらくすると、だんだん枠が面倒になってくる。20分くらいで切りがいいこともあれば、25分では足りなくて35分くらいかかることもある。だから、枠を捨てて自由にやってみることにした。最初はとてもうまくいったが、そのうち、作業に取り掛かることが億劫になり、作業を始めたとしても、途中で気が散ってスマホを見たりしてしまうようになった。「枠」という制約を取り払ったことにより、生来の怠け癖が顔を出し、全体の効率がとても下がってしまったのだ。それからまた「枠」を使う方法に戻ってみた。「枠」を決めることで「その時間だけは気を散らされずに集中しよう」と思えた。スマホが気になれば休憩時間に見ればよいのだ。休憩時間が確保してあるというのも集中を助けてくれた。僕のように自分の意志でメリハリが付けられない人は、システムという制約の中に身をおいてメリハリを強制するのが役に立つかもしれない。
  4. 原文では after four pomodoros となっている。25分の枠の単位を「ポモドーロ」として、1ポモドーロ、2ポモドーロと数えるのもちょっと楽しくていいかもしれない。