オペラについて
- 音楽と演劇が融合した総合舞台芸術
- 作曲された時代によって結構違う
- チケットは高くなりがちだけど実は手頃なものも多い
オペラってどういうもの?
歌を中心として物語が進行する、舞台芸術の一種です。
この説明だけだとミュージカルと似ていますね。
なんとなくクラシック音楽寄りなのがオペラで、現代のエンターテインメント寄りなものがミュージカル、くらいの認識でいいかもしれません。
境界は曖昧で、例えばガーシュインの『ポーギーとベス』は一応オペラということになっていますが、ジャズやミュージカル的な要素も多分に含んでいます。
逆にオペラと一括りにされている作品群もバロックから現代まで約300年にもわたっているので、時代によってかなり様式も雰囲気も違います。
ジャンル分けにこだわりすぎない方がいいと個人的には思いますが、ミュージカルに比べるとオペラは「音楽が第一」という感覚は広く共有されているかもしれません。
オペラはクラシック音楽の中の1ジャンルとして認識されることもありますし、昔から映像のない音だけのCDが販売されていることからも音楽がメインということがわかりますね。
演出を付けずにオーケストラと歌手の歌だけで、普通のコンサートホールで上演されるオペラ楽曲のコンサートもあります。
これは「コンサート形式」と呼ばれ、オペラ団体ではなくオーケストラの主催で、普通のコンサートの延長として開催されることが多いです。
音楽が重要という認識があるので、音楽を無視したり台無しにしたりするような演出は批判されることもあります。
初めて観るなら何がいい?
何から見始めてももちろんいいのですが、あえて最初におすすめするなら、知っているメロディがたくさん出てくる作品や、とりあえず楽しい喜劇ものがいいかと思います。
たとえば...
- カルメン (ビゼー)
- 椿姫 (ヴェルディ)
- セビリアの理髪師 (ロッシーニ)
このあたりが定番でしょうか。上演回数も多いので観に行ける機会も多いと思います。
チケット代について
オペラのチケットって高いイメージがありますよね?
オペラはオーケストラと歌手に加え、バレエや合唱団が加わることもある一大スペクタクルです。
舞台や衣装もプロダクションごとに作る(もちろん再演で再利用されることもあるでしょうが)のでコストは高額になります。
必然的にチケットも安くはないのですが、それでもそのコストをチケット代だけで回収するのは難しく、寄付金や助成金で埋め合わせているのが現状のようです。(新国立劇場、藤原歌劇団、二期会などの財務情報はウェブサイトで公開されています)
そんなオペラのチケットですが、席種によっては安いチケットがあったり、普及を目的とする公演などでお手頃価格に設定されていたりすることもあります。
また、俗に引越公演と呼ばれる、海外から歌手、オーケストラ、合唱団、バレエ団、その他のスタッフ、おまけに衣装と舞台セットも丸ごと日本に持ってくるような方式の公演もありまして、これは当然チケットもバカ高くなります。オペラのチケット5万円とか6万円みたいなイメージはここから来ているのだと思います。
昔はオペラというとそれしか選択肢がなかったのかもしれませんが、今では日本国内でもレベルの高い公演ができる団体がいくつもありますので、むしろその他のライブやコンサートよりもお得な値段で楽しめるかもしれません。
以下、参考までに日本のオペラ公演のチケット価格の例をいくつか挙げてみたいと思います。
新国立劇場
初台にあるオペラハウスです。伝統芸能を扱う国立劇場とは別に、バレエや演劇など現代の舞台芸術を振興するための機関として設立されました。
メイン歌手の何人かを海外から招聘するというスタイルで、年間10作品程度(それぞれ4〜6公演程度)を上演しています。
オーケストラは東京フィルハーモニー交響楽団と東京交響楽団が交代で務めています。
チケット代は最も高いS席で2〜3万円くらいです。
一番安い席はD席で4,000〜6,000円程度ですが、これはすぐに売り切れてしまいます。
手に入れたければ年会費(3,960円)を払って会員になり、先行販売の発売開始時刻直後にネットで申し込む必要があります。
普通に買いやすいのはC席で、8,000〜10,000円程度です。
ちなみに会員組織は「クラブ・ジ・アトレ」という名前でメンバーは「アトレ会員」などと呼ばれるのですが、駅にあるアトレとは何の関係もないので注意が必要です。
会員になると全てのチケットが10%引きで買えるようになる他、チケットの先行販売やセット券の割引などの特典があります。
新国立劇場は貸劇場としての事業も行っているので、他の団体のオペラ公演が行われることもあります。
ニッセイオペラ
https://opera.nissaytheatre.or.jp/
S席でも1万円前後というお手頃価格で、演目も定番が多いので初心者におすすめです。
日比谷にある日生劇場の主催で、おそらく普段オペラに馴染みのない層もターゲットにしてこういう設定にしているのではないかと思います。
年間4作品程度(それぞれ2〜3公演)を上演しています。
実際の公演は日本を代表するオペラ団体である藤原歌劇団や二期会が担当しています。
席種の設定は公演によって異なるのですが、チケットはS席で10,000〜14,000円程度、安い席は5,000〜6,000円、たまに3,000円などという設定もあるようです。
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